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外国人社員の住民税

 外国人社員の日本における税務セミナーでは、住民税についても解説させて頂いております。外国人社員にとって、所得税はわかりやすいのですが、住民税は課税のタイミングが一年ズレるということもあり、事前にきちんと説明しておかないとトラブルの原因にもなりかねないので注意が必要です。

 住民税は均等割と所得割から構成され、所得割は前年度の所得に応じて課税されます。納付時期は当年6月から翌年5月までで、会社の社員であれば会社が源泉徴収(=「特別徴収」といいます。)して各自治体に納付します。

 住民税が課税されるのは、1月1日に日本に住所を有している場合となりますので、例えば2021年5月1日に入国して勤務を開始した外国人社員の場合、同年1月1日は日本に住所を有していませんから、同年6月から翌2022年5月までの住民税は課税されません。

 この外国人社員が引き続き日本で勤務して2022年1月1日も日本に住所を有していた場合、2022年6月~翌2023年5月分から住民税の徴収が開始されることになります。

 よって、事前に住民税の負担について会社のポリシー(会社負担又は個人負担)を定めて外国人社員に説明しておかないと、順調に日本でお仕事して頂いているときに、(外国人社員にとってはある意味)突然、手取り給与が減ってしまうということにもなりかねません。

 一方、日本勤務を終えて母国に帰国する際の住民税の処理についても注意が必要です。上記のとおり、住民税は1月1日に住所を有している場合に賦課決定されますので、例えば2023年4月に帰国したとしても、2023年1月1日は日本に住所を有していることになるため、同年6月から翌2024年5月までの住民税は納付義務が生じることになります。

 このような場合には、まず2023年5月までの分については帰国前の給与から一括徴収で天引きしておき、同時に、出国後に賦課決定される2023年6月~2024年5月分の住民税については、例えば会社を納税管理人とする届出を自治体に提出しておき、外国人社員にかわって適切に住民税を納付できる体制を整えておく必要があります。

 出国後に納めるべき住民税を納付せずに滞納してしまうと、その後の在留資格の申請や更新に支障が出る可能性があるため十分注意が必要です。